2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーブ&ボニー (2)

わがホストファミリー、スティーブからは、すぐに家族がクリスマスに集まった時の写真が送られてきた。原子力技術者だ、と自己紹介してある。やれやれ、困ったことになった。アメリカでは福島の原発事故に対する関心は非常に薄い、という話は、以前、他のア…

スティーブ&ボニー (1)

ロサンジェルスのごった返す空港から、2時間遅れの国内線に乗り換えると、中型機の狭い機内はアメリカ人とおぼしき体の大きな人ばかりで、誰も彼もがくだけた英語を話すものだから、そうでなくともおぼつかない英語力ではまったく聞き取れない。日本から乗っ…

パンデミック雑感9 アジテーションの世代

毎朝、日課のニュースチェックをしていて、まだ眠気の抜けないぼんやりした頭に、やにわに鳩が豆鉄砲くらったような風情で、珈琲を飲み直し、なにか読み間違えをしたのではないかと思い、読み返してしまった。 (寄稿)人文知を軽んじた失政 新型コロナ 藤原…

2020/04/22 パンデミック雑感8 伝えるための言葉

リスク・コミュニケーションは、言葉だけの問題ではなく、統治機構や社会システムの問題でもある、とは書いてきたのだけれど、一方で、「言葉」の問題であることも間違いない。今回のパンデミックに関する専門家会議の発信は、原発事故の時よりははるかにマ…

これまでに書いてきたもの、してきたことPapers and Presentations

2011年の原発事故のあと、書いてきた文章や発表が気がつけばそこそこの数になってきたので、まとめてみました。Here is a list of papers and presentations I have written so far on radiation and the nuclear accident.論文/Papers・水野義之、鎌田陽子…

2020/04/20 『災害の襲うとき』落手

『心の傷を癒やすということ』『災害が本当の襲った時』、両書のなかで頻回に触れられていたので、購入した。新書だと5,000円を超える、ちょっと手を出すのがためらわれて、オンライン古本屋書店(https://www.kosho.or.jp)で購入。1986年初版で1995年刷、…

安克昌『心の傷を癒すということ』 中井久夫『災害がほんとうに襲った時』

1995年1月17日におきた阪神淡路大震災について書かれた本。2冊を並べるのは、当時、神戸大学の精神科で教授で、いわば指揮官として振る舞った中井久夫氏と、現場隊長であった医局長の安克昌氏、二人の視点でひとつの出来事をみると、一層深く読めると思うか…

2020/04/16 パンデミック雑感7 リスク・コミュニケーションのこと

本日付の毎日新聞に韓国の疾病管理本部の感染症対策における「リスク・コミュニケーション」部門の動きについて詳しく伝えられていた。 韓国の感染症対策に見るリスクコミュニケーション | オアシスのとんぼ | 澤田克己 | 毎日新聞「政治プレミア」 韓国の新…

中原中也論ー卒論の思い出

卒業論文に中原中也論を書いた。と書くと、近代文学が専攻だったのかと思われるかもしれないが、私が専攻していたのは、比較文化学類現代文化コースという、なにをやっているのかわからないコースで、実際、同じコースの中に英文学、仏文学、文化地理学、人…

2020/04/14

誰もがそうであるように、このコロナウィルスの影響で、あらかたの行事が飛んでしまったため、この機会に読書をすることに決め、いつにないペースでたまっている本を読み進めている。どの本も、読めば新しい発見があり、得ることがある。読書とはすばらしい…

プリーモ・レーヴィ『休戦』読了

よい本だった。こういう描写のしかたの文章を自分も書いてみたいと思わせる、人間味のあふれる穏やかな、それでいて深い悲しみのある文章。つづいて、安克昌『心の傷を癒すということ』を読み始める。これは宮地尚子さんが『みすず』の今年の5冊のなかに、…

2020/04/13 パンデミック雑感6 統治機構への信頼性(スウェーデンの場合)

なんの因果か、原発事故が起きてからずっと後処理のことを考えているのだけれど、そこでもっとも問題となることのひとつは、統治機構のありかただ。放射線量やそれの健康や生活への影響というのは、もちろんベースにあって重要ではあるのだけれど、対応その…

2020/04/13 『休戦』を読みながら

プリーモ・レーヴィの『休戦』を読みながら、日を過ごす。この本は、ずいぶん前、震災よりももっと前だから10年以上前に、図書館が蔵書整理した時のリサイクル図書として持ち帰り自由になっていたものをもらってきた。ほとんど一度も開いた形跡もないのだけ…

2020/04/11 パンデミック雑感5 経済と生命のバーター

経済活動と国民の生命がバーターになっているかのような議論をみながら、これもまた原発事故の後に起きた議論とそっくり同じだなと思いつつ、条件の違いを加味し、考えている。つまり、原発事故の場合は、よほどの高線量でない限りは放射能の健康リスクは遷…

2020/04/10 パンデミック雑感4 花冷え

noteにつらつらとなにかを書いては、下書き保存ばかりしているものだから、下書きフォルダばかりが増えていく。最初から公開するつもりなく、後から自分で読み返そうと思って書いているものも多いのだけれど、書いてみてわざわざ公開するほどのものでもない…

2020/03/31 パンデミック雑感3

欧米での感染拡大おさまらず、日本は新型インフルエンザ特措法にもとづく「非常事態宣言」を出すか出さないかやきもきしているといったところ。もっとも出したところで、欧米のようなロックダウンといった私権の制限はほとんど行うことができないような条文…