2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーブ&ボニー(23) スティーブとボニーへ 愛を込めて [了]

到着翌日コロンビア川のドライブの時と同じ、砂漠と果樹園と畑がパッチワークされた景色を走り抜けて帰路についた。帰り道に、土埃の漂うなだらかな丘の合間に見えるプラントのような建物を、これもリアクター、これは確か商用リアクター、とスティーブが指…

スティーブ&ボニー (22) ゲニウス・ロキの生まれるところ

次の日の朝は、スティーブとボニーは私が疲れていると気を使って、声をかけないでいてくれたみたいで、遅めに目覚めた。結局、この日まで時差ボケはスッキリとは治らないままで、熟睡感はないままだった。丹羽先生やジャックは、早朝の飛行機で出立したはず…

スティーブ&ボニー (21) 宇宙語で話す

参会者が三々五々に散っていくロビーで、坂東先生を見つけた。もうひとり、日本人の男性も一緒にいる。やはり今回の会議に参加するために日本から来たのだという。この会議は、なんだか学術的な集まりとも思えない、不思議な雰囲気でしたね、と誰からともな…

スティーブ&ボニー (20) 絶望のような希望

発表は終わったものの、あともうひと仕事、パネルディスカッションのパネリストが残っている。パネリストは、私と丹羽先生とアメリカ人のEPA打倒に燃えている研究者に、司会役のアメリカ人が一人。低線量被曝における防護政策に関するパネルディスカッション…