わたしたちは歩く ひと気のない町並みを 破れたブルーシートに飾られた屋根のあいだを 背丈を超えた雑草生い茂る田畑の畦をかきわけ はなうたまじりに 失当見識のさまよい人のように いやに明るいあの旋律を口ずさみながら わたしたちは歩く かつての風景を…
バリケードが設置された日を覚えている。 ひとたび閉ざされた地がひらかれることの困難さを予期し、 私は、この先、ふたたび、この地に、かつてのように人が住まうことはないだろう、と目を伏せた。 それから、3年。 バリケードは相変わらず閉ざされたままだ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。