そうだ、これが、我々の時代だ。 「我々」という主語を、これほどまでに意識して使うことがあったであろうか。 逃れがたく、私という存在は、社会に結びつけられ、いや、あらかじめ、そのようなものとして存在せざるを得なかった、にも関わらず、そのことを…
人通りの少ない住宅地の現場で作業をしていると、通行人が家人の名を呼び、親しげに声をかけてくる。 いぶかしく思いながら、顔を見ると、従兄の奥さんだ。 脇には、お腹の大きな女性、聞けば、娘さんだという。 会うのは、昨年5月、津波で亡くなった親族の…
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