2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

封鎖都市の記憶

屋内退避区域、または、2011年4月21日以降には緊急時避難準備区域と呼ばれるようになった区域は、おおむね東京電力福島第一原子力発電所から半径20〜30km圏になる。日本政府は、不測の事態が発生した時に自力で避難することができる健康な成人のみそこに居住…

2020/02/29 ルビコン川

あの時も「学校」だったな。内閣参与が涙の記者会見をした日のことを思い出していた。もっとも当時我が家はテレビをつないでいなかったので、写真と文字報道によってしか知らないのだけれど、でもなぜだか涙の瞬間にたかれた大量のフラッシュの音まで記憶に…

附記

この記事を書いたあとに、安倍総理が小中学校に休校「要請」を打ち出したとのことで、脱力してしまった。先の記事には、政府対応については触れなかった。政府対応も冗談のように原発事故の後をなぞっている。ただ違うのは、当時の政権には巧拙の問題はあっ…

SNSの集団心理

新型コロナウィルスの騒ぎで、Twitterから距離を置くと書いている人が散見されるが、もっともな判断だ。原発事故後の騒動とうりふたつの騒ぎが繰り返されるのを見て、あたかも混乱時の人間の社会心理がどのように推移するかの再現実験をみているかのような感…

2020/02/27 梅に霰

確定申告の作業すべて終了。書類を提出してほっとしたところで、確定申告の提出期限を一ヶ月延長するとの速報ニュース。自分にはもう関係のないニュースだと見出しだけ読み流す。ソファに腰掛けてぼんやりと窓から外を眺めていると、いやに温かった今年の冬…

掲載誌お知らせ

朝日新聞社の『Journalism』という雑誌の2月号に、福島第一原発の「水」問題について寄稿しました。電子書籍もありますので、ご興味をお持ちの方はお読みいただけると幸いです。 リンクこういう時事問題的な原発事故関係の話題を書くときは、文章の書き方を…

マツモの酢の物

マツモという海藻がある。形状が松の葉に似ているから、その名がある。生の状態では褐色なのだが、お湯をさっとかけると鮮やかな緑色に変わり、なるほど松の緑によく似て見える。細く噛むと繊細な歯ごたえがある。少しばかりぬめりもあり、かすかな潮の香り…

Men explains things to me

冒頭のエピソードだけ読んで積ん読本になっているのだが、レベッカ・ソルニットに『説教したがる男たち』という著書がある。たまたま同席した初対面の男性が著者ソルニット(女性)に対して、最近読んだ興味深い本の解説を、まさにその本の著者本人であるソ…

「風評」をめぐる世論と報道の共犯関係

もはや聞き飽きるほど耳にしている「風評被害」の経済的側面の実態については、いくつかの信頼できる調査によって、その実態の輪郭線がおおよそ見えてきたように思う。(https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf…