2021-01-01から1年間の記事一覧

風評被害とメディア報道

Social Amplification of Risk Framework の理論のおかげで、非常にクリアに見えるようになったことがいくつかある。 一つは、風評被害に関する報道についてだ。 処理水放出と「リスク・コミュニケーション」のちゃぶ台返し - 安東量子|論座 - 朝日新聞社の…

ワクチンについて誤った情報への対応について考える

コロナウィルスのワクチンの接種が進むにつれ、誤った情報も広く拡散するようになっているようだ。若年層になるほど副反応も強く出ると言われているので、この先、接種が若年層に広がるに連れ、不安感も広まるのではないかと予測している。 今回のコロナ対策…

リスク学と111勧告

わが友ジャック・ロシャールが、友人がおもしろい論文を出したから送るよ、と添付したメールを送ってきた。福島の原発事故が、欧州でどのように公衆の信頼に影響を与えたかということがSocial Amplification of Risk Framework を用いて考察されている、とい…

猫埋葬記

老猫が死んだ。 その前々日あたりから、外の風通しのよいまったいらな床面の上で寝転んでいることを好んでいたから、洗濯物を干している午前中は足元のコンクリ土間へ寝かせ、昼前、直射日光が強くなりはじめた頃に室内のいちばん窓際の風が通る場所に移し、…

モミジの下で

2匹飼っている猫のうち1匹、老猫のここ数日の衰弱が著しく、食事も取らなくなってしまった。みるみる痩せ細って見ているだけでも気の毒なのだけれど、もともと気難しく、動物病院に連れて行くのもパニックを起こして、死んでしまうのではないかと思うほどの…

note の記事を移しました。

ここのところ、書き物は note にずっとアップロードをしているのですが、ここ1年ほどの連続しておきたnote 炎上で note を使うのを敬遠する方が散見するようになったので、こちらにも記事を並行して載せることにします。 書いて公開するのは、読んでもらいた…

喪明けの桜

長い坂道の両脇に山桜が植えられたのは、震災よりもずっと前のことだ。最初は細い苗木で、幹よりも太い支柱が添えられていた。夏には雑草に埋もれ、そのまま消えてしまうようにも思えた。幾本かは支柱だけを残して消えてしまったようだった。それでも何度か…

25年後の風

いま、テレビ出てたベ。いつも電話がかかってくるのは、晩酌が進み、いい案配で気分がよくなった頃合いなのだろう。電話の鳴る時間で、発信者が誰なのかはわかる。もしもし、と言い終わるのも待たないで、電話口でそう言った。ご覧くださったんですね。あり…

パンデミック雑感 ー10年目を目前に、安全と安心の狭間で

震災から10年目を目前にしての過日の福島県沖地震は、記念日報道が増えていることと相乗して、震災後の騒然とした記憶を呼び覚ましたかのような気配がどことなく流れているように感じられる。 ともなって、廃炉作業中の福島第一原発の原子炉格納容器の亀裂が…

パンデミック雑感 ーコロナと原発事故

パンデミックについては、あまり賢しらに書くのもどうかと思ってしばらく書かないでいたのだけれど、友人に、コロナと原発事故の異同について気になっている人は多いと思うよ、と言われたので、久しぶりに書いてみることにする。コロナと原発事故の共通点は…