2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「生命の破壊」という表象

『曝された生』で詳細に掘り起こされたウクライナの事例は、それそのものでも十分に興味深く示唆に富むものであるが、著者の放射線や原子力に対する姿勢も、わたしにとっては関心を引くものであった。本文の記述中に「生命の破壊」という表現が出てくる。研…

アドリアナ・ペトリーナ『曝された生』感想

人類学者である著者が、主として1996年頃のウクライナにおけるフィールドワークを元に、チェルノブイリ事故後のウクライナの人々が、いかに自らの存在を変容させ、新たな生物学的統治メカニズムに対応して来たか(できないで来たか)を、文書資料なども豊富…