2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2020/03/29 パンデミック雑感2 社会の不均衡について

COVID-19の中国武漢におけるパンデミックを「中国のチェルノブイリ」と書いている記述を読んで、ああ、なるほど、と思った。英語圏の報道では、このパンデミックを地政学として捉えている論説が多く出されているようだ。そういえば、宮地尚子氏の『環状島 ー…

2020/03/23 パンデミック雑感

新型コロナウィルスの政府のうちだす対策について、政府が明確な指針や基準(そしてそれによる影響に対する政策的フォロー)を打ち出さないことによる混乱が指摘されはじめている。これは新型コロナウィルス対策だけではなく、自民党政権以降の福島の原発事…

2020/03/20 構造が見えること

宮地尚子『環状島=トラウマの地政学』を読み終えて、Twitterに簡単に感想とも呼べないメモを置いた。 環状島=トラウマの地政学 【新装版】www.amazon.co.jp 3,520円(2020年03月21日 00:36時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 自分でこれを書いたあ…

宮地尚子『環状島=トラウマの地政学』

宮地尚子氏のことを知ったのは、今年の『みすず』1・2月合併号読書アンケートのなかに、私の『海を撃つ』を取り上げてくださっていたからだった。専門領域も存じ上げないで、どういった方が自分の本に関心を持ってくださったんだろうか、と思っていたときに、…

2020/03/20 いわれのない差別

お役所仕事の不思議なことのひとつは、どう考えても論理的におかしな用語をいつまでも使い続けることだ。「いわれのない差別はやめましょう」という言葉がしばしば聞かれるのだが、冒頭につけられた「いわれのない」はまったく意味をなしておらず、そもそも…

めでたさも中くらいなりおらが春。

めでたさに湧く常磐線開通の報をなんとなく居心地わるく眺めている。生活の利便という点から言えば、南相馬と水戸に親戚が住まっているわが家にとっての恩恵は大きく、素直に助かる。年寄りは、対面通行の高速道路の運転は心配を覚える年齢になっているし、…

14時46分の日常

今年は新型コロナウィルス騒動もあって、震災が話題になることが少なく、とりわけ風化を感じるという声も多く聞かれるが、こと原発事故にかんしては、私は、これはよい風化であるようにと感じている。というのは、これまで口を閉ざして語らなかった人がポツ…

帰還困難区域における防護服の着用について

しばしばSNS上でマスコミ批判として使われる帰還困難区域の立入の際に着用される防護服の映像についてだが、マスコミが意図的にその映像を撮って流しているとの誤解が広く見受けられるので、記載しておく。まず、住民以外の人間が仕事によって一時的な立入を…

2020/03/08 心穏やかな日々

朝から雨、曇天の肌寒い日だというのに、窓の外から見える庭には、ジョウビタキ、セキレイ、それからヒヨドリが入れ替わり立ち替わりやってくる。北側の窓からは梅が満開、ヒヨドリが花蜜をついばんでいる。じっと見つめていると、慌てたように飛び立って、…

2020/03/07 除染土のゆくえ

2020年3月6日付けで、環境省の大臣室などに中間貯蔵施設に運び込まれた除染土を鉢植えに入れて飾ったというニュースが報じられた。 誰の思いつきなのかわからない、大臣本人なのか、もしかすると環境省の人間のアイデアかもしれない。それがどちらであったと…

2020/03/04 君に

あなたのことを親愛の情を込めて「君」と呼ぶことをゆるしてもらえるだろうか。いや、許可をもらう必要はないのかもしれない。これは君に宛てた、けれど決して差し出すことのない手紙なのだから。君と私がどういう関係であったのかを説明するのは難しい。時…