掲載誌お知らせ

朝日新聞社の『Journalism』という雑誌の2月号に、福島第一原発の「水」問題について寄稿しました。電子書籍もありますので、ご興味をお持ちの方はお読みいただけると幸いです。 リンク

こういう時事問題的な原発事故関係の話題を書くときは、文章の書き方を変えている。極力べったりとねちこく現実に張り付いた文章で、細かな部分までかっちりと描くと同時に、問題の構図が把握できるようにする。そこに自分の考察は入れるにせよ、願望や感情はなるべく書きこまず、あくまで現実に即した議論にする。福島・原発放射能関係の議論は、観念論にすると永遠に埒があかないので、観念の入り込む余地がないべったり現実のことばかり書くようにしている。(観念論は観念論で面白いけれど、それは現実の問題解決とは違う位相の話なので、時事問題を扱うには適切ではないと思っている。) 読む人が読めば面白いと思うけれど、読者を選ぶし、読者範囲は広がらない書き方だとは思う。でも、目下、関心を持つ一部の人に届くことが重要だと思っているので、この書き方でいいか、というところ。

こういう文章を書くのが好きかどうかと言われると、これはこれで嫌いではない。好きに書けと言われると、ここに書いた書き散らし文体になってしまうけれど、論文は論文で、ああいうカチカチの文章を書くのも嫌いではない、ラブレターを書くのも嫌いではない、エッセイを書くのは好き、批評的な文章も実は好き(でも、批評を書くに必要な博覧的な知識がまるでおぼつかずそれにたる内容が書けないらしいと気づき、ずいぶん前に書くのを止めた)。基本的に文章なら、だいたいなんでも書くのは好きなのかもしれない。お役所とかの形式優先の行政文書は好きじゃないかも。