8月の大気は軽く、天に散乱する光は少しばかり薄さを増す。
空を見上げるのに、よい季を迎える。
地に足をつけ、天を見る。
天と地に棹さし、それを柱と為し、世界の中心とする。
それを世界軸と名付けたのは、ルーマニア生まれの宗教学者であったか。
ひとつの隠喩的世界。
世界が、幾層もの隠喩によって構成されるのであれば、世界軸を人間に置き換えてもよい。
私は、天と地をつなぐ世界軸であり、ここが(私の)世界の中心である、と。
事象は、柱に張られた天幕の下で展開する。
あたかも芝居小屋のようでもあり、それならば、こう述べるのが正しい。
「観客様はみな鰯、ゆあーん、ゆよーん、ゆあゆよん」。