なぜこのようなことを?
と、問われ、言葉に窮するのは、それに対する、社会的に適切な回答を、私が持ち合わせないからだ。
夢想好きの、無用者なりの回答は、自分の中に、明確に持っているけれど、それは、誰にも言わない。
いちばん、大切なものは、誰にも教えない。
言語化すれば、陳腐になることがわかっているから。
可視化すべきものと、そうすべきでないものが、ある。
冬ざれの野、寒気に打たれ、サザンカが花弁を傷め、それでも、色はふかく、暗く低い雲に気圧されるように、うつむいた姿。
山から吹き抜ける風は、時折、雪片を散らし、肌を刺す。
いつもどおりの、乾いた冬の日。