2020/06/09 人生の休日

緊急事態宣言が出て、なんやかんやざわざわしたのだけれど、その影響で、のきなみ用事が吹っ飛んでしまい、4月、5月はいくつかの書類作成以外は、急ぎ片付ける仕事がなくなってしまっていた。社会影響的には、きっと社会活動は止まらない方がよかったのだろうけれど、ほんとうに久方ぶりに誰とも会う約束もなく、締め切りもなく、時間に追われない生活を送ることができて、人間のこころもちを取りもどした気がする。好きな本を読んで、なんの得にもならない考えごとで頭をいっぱいにして、好きな文章を書く。夫には、時間ができたのなら、仕事を手伝え、とぼやかれながら、ひさびさに自宅の庭いじりやら、野菜の苗を買ってきてプランターに植えたり、パウンドケーキを焼いたりした(実に10年以上ぶり!)。ああ、しあわせってこういうことだな、とのほほんと暮らしていたら、外出禁止中のフランスの友人が馬車馬のようにたまった仕事を片付けるのだとメールがぽつりぽつりと届きはじめ、重い腰を上げて共著論文の確認をはじめたら、それに刺激されたかのようにこちらも少しずつ日常が再開し始めたものだから、またなんやかんや用件が入りはじめてきた。ああ、やはり賢明なフランスの友人のように、暇な間にたまっていた仕事を片付けておくべきだった。だめねぇ。原発事故がなければ、きっとこんな感じで、無為に人生を送ってたんだろうな。