からだの内に、水滴がしたたる。
 繁茂するみどりが、絡みつく。
 身動きができない。
 うずくまる。
 それがなにを意味するのかは、わかっている。
 充分すぎるから。
 言葉には、しない。
 
 それも、日がさせば、忘れる。
 大丈夫だ。
 やがて、日がさす。
 明るすぎる日ざしに、陰は、いっそう濃くなるだろう。
 それでも、大丈夫だ。

 たいていのものは、時間に回収され、いくつかは、時間の枠外に放擲される。
 それだけのことだ。