目線をやや上に向け、視界の焦点距離を遠くすると、向こうに松林が見える。 一年前までは、見えた。 今は、あてどのない、空とも海ともつかぬ、ただ、広い、〈向こう側〉が見える。 〈向こう側〉の手前には、赤色灯を点した検問があり、警備員が佇んでいる。…
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